■女性ホルモンは、生活習慣病から女性の体を守っていたんです。
更年期といえば、まっさきに心配になるのが更年期障害。
しかし同時に、注意してほしいのが生活習慣病。
「閉経後の女性は、生活習慣病がぐんと増えてくるんです。」
生活習慣病と呼ばれるのは、高血圧、脳卒中、心臓病、糖尿病など。
偏った食事や運動不足など、普段の悪しき生活習慣、年齢による新陳代謝の衰えなどによって引き起こされる。
「通常は、男性より女性の方が生活習慣病にかかりにくいんです。なぜなら、女性の体は女性ホルモン・エストロゲンによって守られているからです。
ただしそれは、卵巣機能が正常で、女性ホルモンが活発に働いている間のこと。
閉経してしまうと、条件は男性とまったく同じ。
閉経前と同じ生活をしていると、あれよあれよという間に健康を害してしまう危険があります。」
女性ホルモンはどうやって女性の体を守っているのか。
女性ホルモンが減ることで、女性の体にはどんな変化が起こるのだろう。
■閉経後は肥満になりやすく、コレステロール値が上がりやすい。
「女性ホルモンには血液をサラサラにし、悪玉コレステロールを押さえる働きがあります。
また、満腹中枢に働きかけて食欲を抑える役割も。
ですから、女性は男性に比べて太りにくく、特に内蔵脂肪がつきにくいのでメタボリック症候群になりにくいんです。
閉経後、コレステロール値や血圧が急激に高くなる女性が多いのは、女性ホルモンの減少で血液中のコレステロール値が高くなり、血管が細くなったり、弾力性を失ったり、ホルモンバランスが崩れて血圧を調整する自律神経の働きも不安定になるせいです。」
(中略)
■女性の体の曲がり角は、卵巣の老化が始まる35歳前後
閉経は女性の体に劇的な変化をもたらすが、その予兆は閉経前から始まっていることを忘れないこと。
「横文字園では、老化の会談を上がるという意味の”クリマクテリウム”と言う言葉が更年期に当てられます。
つまり、更年期とは突然に訪れるものではなく、閉経の4、5年前から症状が一歩一歩、出始めているんです。
もっといえば、女性の体の曲がり角は、女性ホルモンを作る卵巣の機能が衰え始める35歳ぐらいからなんですよ。」
「閉経には個人差がありますから、30代後半からは他人事と思わないことです。
でも、女性は女性ホルモンの奴隷だなんて思わないでくださいね。きちんと知って、上手に生きることが大切です。」
※3月25日発売『クロワッサン』より抜粋 |